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『あう〜』
「?」
『ほえ〜』
「もしも〜し?」
『ごろな〜ご』
「てい」
『うおぅ!?何じゃい!いきなり脳天チョップを叩き込んできやがって!』
「独り言、始まってるよ」
『なにぃ!?いや〜すまんすまん。脱水気味で忘我の境地を彷徨っておったわ』
「しっかし、今回はすごかったわね〜。人が倒れるは倒れるは。コース上に救急車まで出動する始末」
『オレもあんだけ人が運ばれる大会は初めて見たよ。正直オレも危なかったし』
「どんな感じだったの?」
『キサマと顔を合わせなアカン時ぐらい気分悪かった』
「ま・ぢ・め・に・こ・た・え・ろ・〜!」
『わ゙っ!わ゙がっだがら゙、ぐびを゙じめ゙る゙な゙〜!』
「人間、素直&マジメが一番よ」
『げほっ!全くもって説得力がないが・・・。とにかく起きていても寝ていても視界がグルグル回っている感じで、船酔い+グルグルバット10周やった後、というのが一番近い感覚かな?』
「ぐるぐるばっと??」
『知らない?運動会とかで、地面に垂直に立てたバットに額をつけてグルグル回ってゴールに向かって走るやつ。平衡感覚がなくなってるから何人かは真っ直ぐ走れなくて、途中で倒れるのを見て会場が笑いで盛り上がるんだけど』
「(実際にやっている)」
『・・・何でバットを持ってる・・・?』
「うをっ!?こりゃ、確かにきついわ」
『とりあえず他の方々のゴールを見たかったんだけど、30分くらい動けませんでした。その間色々お世話をしてくっださった、鉄平コーチの奥様と今野選手にはカンシャです』
「う〜ん、あんなんが30分も続けば、そりゃ気分もわるくなるわね」
『ま、自分も苦しいレースだったけど、それは他の人も一緒だからね。その中でよく粘れたと思うよ』
「え・・・と、7位だっけ?」
『第1ウェーブでは5位だったから、そのままかと思ってたんだけど、第3ウェーブに隠れた強豪がいたんだね。それはちょっと悔しかったけど、今シーズンで一番満足なレースだったかな?』
「それじゃ、種目別で、スイムからいきますか」
『水温が27℃と高く、スタート直後から既に暑さによる脱水が懸念されました。特にフルスーツだったんで危険回避のため、音吉より若干ペースを落としで様子を見ながら泳ぎました』
「ほうほう、中々慎重な滑り出しね」
『今回も竹内選手と併泳を続けていたものの、右側呼吸の私には左に張られたコースロープを見ることができず、竹内選手の後ろに陣取り、泡を追いかける作戦に変更しました。程なくしてこれまたジャパンカップでも活躍していた藤村選手が先頭で合流し、3人で縦列スイムを展開しました』
「藤村選手って、確かチームゴ〜ヤ〜の昨年の長良川チャンピオンね?」
『そーです。昨年は台風で距離が半分だったにもかかわらず、さくっと離されましたが、今回は何とかはりつけました。・・・とは言うものの、本調子じゃなかったのは知ってたんだけどね』
「さて、スイムもいよいよ折り返し、後半ですが・・・」
『後半もほとんど作戦を変えず泳ぎましたが、前方では竹内選手が先頭に踊り出たようでした。しばらくして、右側にもコースロープが張られている区間に入り、“らっき♪”と思い、2人からは離れてコースロープ沿いを泳ぐようにしました。・・・が、いきなり海(川?)藻に関節技をくらってしまい、脱出に手間取りました。何とか持ち直し、それ以上差をつけられることなくスイムアップできました』
「今回はスイム3位?」
『さらに第4ウェーブの女子選手2名に負けた・・・』
「ぷっ(笑)」
『・・・ままま、後のことを考えてペースダウンしたと思って・・・』
「はいはい、そーいうことにしといたげる」
『イマイチ釈然とせんが・・・。トランジットでラックに入る位置を間違え(実はあってた)、ちょっと大回りしたため、2名からは遅れてバイクスタートしました。スタート直後、ゴ〜ヤ〜のジュニア選手(ユニフォームだけで判断したので名前まではわかりませんでした。すいません)から名前で応援していただきました。チーム枠を越えた応援に、嬉しさがこみ上げてきました』
「・・・・・・自意識過剰?」
『ち・・・ちがうもん!ちゃんと顔はこっち向いてたし、回りに選手がいなかったもん!』
「じゃ、これもそーいうことにしときましょ」
『がるるるる・・・!(ちょっとキレ気味)話を戻しますと、前方を走る藤村選手との差がつかず離れずだったので、後姿を目標に追いかけました』
「追いつくわけないのに」
『んなこたぁ、オレが一番よくわかっとるわい。ま、実はバイクポジションを一週間でいじっており、それをためす意味も今回は含まれていました。・・・ホントはシーズン中にポジションいじりなんてするもんじゃないんですが・・・。2周目に入ると周回遅れの選手と合流したため、藤村選手の姿を見失ってしまいます。今回は“20kmまでは逃げちゃるッ!”と思っていましたが、13km過ぎに森下選手の特急バイクにあっさりかわされました』
「相変わらず、強烈なバイクね〜。桁が違いすぎるわね」
『何かも〜、別次元って感じ。でも、オレだって1〜2年後には・・・』
「はいはい、夢見るのはタダだからね」
『くそ〜・・・、今に吠え面かかしちゃる。え〜と・・・、2周目後半からはドラフティングの温床と化した私からすれば最も恐れていたイヤ〜な展開に・・・』
「ちょっと待って。“どらふてぃんぐ”って何?」
『(ぽんっと手を打って)そーかそーか、キサマにゃ説明してなかったっけ。じゃ、次回やろっか。ま、簡単に言うとインチキだ』
「・・・すいません、簡単すぎてよくわかんないです・・・」
『他人の後ろについて空気抵抗をなくして、楽して速く走るというインチキのこと』
「でも、ジャパンカップなんか見てるとみんなやってるじゃん」
『あれは、ルールとして認可されてるからできるんだよ。もちろんこの場合はインチキでも何でもなく、戦略って見方になるけど。今回に限らず我々一般の大会は接触落車等、安全面を考慮して大会運営側が禁止してるんだよ』
「それを守らないとは・・・」
『そ、まさしくインチキの他何でもないってこと』
「アンタはやってないの?」
『ルールで許される範囲ではやってる・・・ていうか使わらざるをえないところだけ使ってる』
「どーいう時?」
『抜く時、抜かれる時はどうしてもドラフティング領域に入っちゃうからこればかりは仕方ないね。あとは道が狭くて抜けない時、カーブなどスピードが出せないところ、かな?一応抜く時も“15秒以内に抜く意思を持って”てことがしっかりルール化されてるよ』
「ま、表面は分かったから詳細は次回よろしくぅ〜」
『そんなわけで、私が見つけたドラ野郎共にはバラけるように声を掛けつつ走行。その後、原選手にかわされる。バイクフィニッシュ手前で今井田選手・樋口選手にかわされ、7番目にバイク終了』
「やはりここはバイクのショボさが浮き彫りになっちゃったね〜」
『う・・・。毎度毎度へこんじゃうんだよね〜。でも、今回は意図してちょっとペース落としたから。言い訳でも何でもなく』
「脱水のこと?」
『ごめいと〜!しかも今回は準備したボトル2本では足らんかった。最後の5kmは給水無しだったからランの途中でマズい状況になるかも・・・って不安だったっす』
「じゃ、ランね」
『スタート直後に樋口選手をかわし、前を行く今井田選手に追いつきます。2言3言交わした後、併走が続くが、リズムを取り戻した今井田選手が再び前へ。スタート直後はかなり余裕がありましたが、やはりバイクでの給水不足がたたり、正直リタイアしようか、と考えてしまうくらい苦しいランニングとなりました。その様子は顕著に現れ、2周目、三好SATC:尾関選手にパスされます。・・・といっても1周回違いましたが。とんでもないペースで前に走り去る尾関選手を見て、“こりゃ、後ろからまくられるな”と思いました。オマケに3周目はこれまた周回は違うものの、女性アスリートにも抜かれ、嫌な雰囲気が漂っていました』
「つまり、みんな最初は調子よくランに入れているってことかしら?」
『だと思う。リザルト見たら最終的にはあの尾関選手でさえオレより遅くなってたからね。まー、オレは“最初から最後まで同じペース”と“給水はすべて行う”を実行したおかげで何とかなったんだと思っとるけど。あと、観戦に来てた方からは“よく動いてたよ”と言われたけど、多分、“回りの選手が潰れてしまった分、よく動いて見えた”だけだと思ふ。43分もかかってランラップ11位なんて信じられないもん』
「じゃ、ラン後半の実況を」
『2周目後半には藤村選手を捕らえることができましたが、彼からすれば練習不足の上、この条件ではいた仕方ないでしょう。その後、3周目に入ろうかというところで先行した今井田選手との距離が詰まっているのが見えました。行けるか?と、ちょっとペースアップするものの、やはりあちらもタダモノではありません。結局差は詰まらず、そのまま5番目でのゴールとなりました』
「それで、第3ウェーブが混ざると7位、と」
『目標の5位には届かなかったからねぇ。いいレースだったとはいえ、まだまだ満足するには早いよ』
「そーですか。じゃ、シーズンも後半戦ですね。てきとーに頑張ってくださいな」
『はいよー』
―終了―
長良川に参加されたボランティアならびに応援の方々、暑い中大変お疲れ様&ありがとうございました。選手としてレースに集中できるのも皆様のご協力があってのものです。今後もご迷惑を掛けることが多々あるかもしれませんが、これに懲りず大会を支えてください。そして、選手の皆様も大変なレースだったと思います。ご自分の体のケアをしっかり行い、充分な休養をとって次回のレースを楽しみましょう!
次回は本編にもありましたがドラフティングについて・・・。こーいう場ですのでホントはやりたくないのですが、音吉・長良川と、あまりにも目に余ってしまったので。もちろん実名の公表による誹謗中傷には充分注意するつもりですが、何分、文章になれているわけではありませんので気分を害してしまう方もいらっしゃるかもしれません。その時はご一報ください。では、しっかり水分補給しつつお待ちください。
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