昨年優勝して今年招待して頂いた野尻湖カップトライアスロン・ジャパンオープンに参加してきた。今シーズンは、ここまで調子自体は悪くなかったが、自分自身納得のいくレースができておらず、蒲郡大会後は自信を失いかけていた。なので、なんとしてもここで勝っておきたかった。今回のレース、昨年は直前で参加を辞退し、一昨年まで3連覇している山本淳一選手が参戦。野尻湖大会は、スイム1.5km、バイク45km、ラン16kmの変則的な距離。恐らくスイム、バイクでは山本選手に先行を許すことになるが、勝機があるとすれば、ランの後半10km過ぎてから。16kmと微妙に長いこの距離であれば、自分にもチャンスはあると考えていた。
スイムはウェット着用。水温は低いが、波ひとつ無い穏やかな野尻湖を泳ぐ。スイムの練習不足から、腕が回らずきつく感じた。山本選手から約1分遅れの19分32秒でフィニッシュ。昨年よりも1分短縮。バイクは、15kmのアップダウンとコーナーが連続する野尻湖畔のテクニカルコースを3周回。1周目はきつく感じたので無理をせず軽めのギアで回転を意識。山本選手との差は、1分30秒ほどと開いていた。しかし、不思議と焦りはなく徐々に調子が出てきているのがわかった。2周目、小刻みなアップダウンで、ダンシングを積極的に使って加速、コーナーも攻め、15秒ほど差を詰めた。3周目、見えない山本選手の背中をイメージして必死に追った。ちょうど自分のバイクフィニッシュ間近で山本選手がランスタート。その差は、約1分。スイムフィニッシュの差まで戻すことができた。バイクラップは1:19:01。昨年よりも3分短縮できた。やはり経験がものをいうコースだ。
さて、勝負のランパート。ここ最近、BMZのインソールを使うようになり、蒲郡大会の後半の5kmの走り、また最近の練習でも、脚全体のバランスが良くなったおかげで、逆に脚の動きを意識せずに肩甲骨を意識的に操作して走る感覚が掴めかけていた。走りだしから感覚は悪くないなと感じた。ランコースは8kmの往復コースで、片道2箇所のきつい上りが待ち構えているタフなコースだ。勝負は後半と言い聞かせて、前半はリズムを意識して走った。折り返し間近の平坦な道にでて、視界が開けると、ようやく山本選手の背中が見えた。遠目に見る限り、ピッチが上がっておらず、きつそうな走りに見えた。ここで精神的なプレッシャーを掛けるためにも、折り返しまでに一気に差を詰めておきたいのでペースを上げる。30秒ほどの差で折り返した。
そのまま一気に行こうと思ったが、ペースを急に上げたことが災いし、両腿がぴくぴくと攣りかけてしまう。立ち止まってストレッチするわけにはいかないので何とか走りながら治すしかない。ここを持ちこたえれば、絶対にもう一度チャンスが来ると信じて、ストライドを狭めてペースを落とす。エイドステーションで、スポードリンクを飲んで、脚に水を掛ける。さすがに急な上りでは、脚が限界か?と思ったが、すれ違う選手からも、「前が見えている、追いつける!」と声を掛けていただき、何とか持ちこたえることができた。最後のきつい上りで山本選手を完全に視界に捉えた。そして急な下りで一気にスパートしてトップに立った。あとはもう脚が攣っても、ちぎれてもいいという気持ちで必死に走った。結果ランラップ1位(58:47)の走りでトップでフィニッシュテープを切ることができた。連戦でベストコンディションではなかったとは言え、日本を代表する山本選手に勝てたのは嬉しかった。トータルでも、2:37:20と昨年よりも6分以上短縮。今の自分の力を出し切ることができた。
今年も長野のチーム員の方の献身的なサポートもあり、また家族を始め、多くの皆さんの声援のおかげで、レースではきついところで、集中した走りができました。本当にありがとうございます。また来年、3連覇を目指して頑張ります!
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