今年はショートとロングの中間のミドルの距離を強化することを目標にトレーニングを進めてきました。佐渡大会は、ロングの日本一を決める大会ではありますが、距離設定はミドルと呼べるものになっており(総距離127km)、今シーズンの強化を確認するための最大のターゲットレースとして位置づけていました。
宮古島大会(11位)、アイアンマン70.3ハワイ大会(8位)を経て、今シーズンから導入したTTバイクのポジション出しがようやく完成に近づいてきていると感じており、調整も万全に近い状態で佐渡入りすることができました。これもご支援してくださっているスポンサー各社の皆様のおかげです。ありがとうございます。
レースプランとしては、昨年はバイク前半で勝負を意識しすぎて後半完全にスタミナ切れを起こしてしまったので、とにかくバイク前半は抜かれてもあせらずペースを守る事、順位を意識しないようにして、自分の力を出し切ることに集中する事を心がけました。
スイムはショートで活躍している選手数人の集団の先頭を引っ張る展開でした。スイムはレースの序盤にすぎないので、とにかく無理をしないで先頭をキープすることを考えました。トップの犬堂太一選手(東京ベルディ)と3秒差の2位でスイムフィニッシュ。佐渡大会最大のキーポイントとなるバイクを落ち着いてスタートしました。トップは犬堂選手、その後200mほど離れて自分。後ろには桑原寛次選手(チームゴーヤー)、外山高広選手(東京都連合)が続いていました。
この日の天候は曇りで、気温は21度と非常に良いレースコンディションでしたが、低気圧の影響で風が強く、前回の長良川大会では脱水気味であったため、水分補給(MUSASHIリプレニッシュ)を意識的に行い、序盤は、はやる気持ちを抑えて堅実な走りを心がけました。犬堂選手は序盤からかなり飛ばしていましたが、初ロングということで、ペース配分に不安があるだろうということで、あえて追いませんでした。
15kmを過ぎた頃に、後ろから選手が近づいてきました。バイクの強い伊藤功顕選手(神奈川県連合)です。かなりの序盤で追いついてきたことにあせりを覚えたものの、とてもついていけるペースではなかったので、潔く諦めて、マイペースを貫きました。30kmを過ぎて、益田選手(湘南ベルマーレ)が良いペースで追いついてきました。その頃には、犬堂選手もペースダウンしてきていたので、益田選手のペースに合わせて、3人でレースを展開することにしました。バイクコースは、佐渡島の下半分を一周するコースで、海岸線のゆるやかなアップダウンを走る比較的高速コースです。ラスト70kmの小木ASを過ぎてから2kmほど急な登りが続くため、そこからが本当の勝負になります。70km地点がバイクの折り返しだと言い聞かせていました。
犬堂選手は、60km過ぎに自分と益田選手から千切れていきました。やはりオーバーペースであったようです。まるで昨年の自分を見ているようでした。しかし、彼はまだロング一戦目ということを考えると、今後強くなることは、確実であると思います。
小木の坂に入って、先頭の伊藤選手まで1分差につめていることを知りました。やはり前半のペースが速すぎたのでしょう。10分近く差がついているのでは?と思っていたので、ほっとすると同時に、伊藤選手が視界に入ってくると、更に力が沸いてきました。後続との差はまったく把握できていませんでしたが、かなり離れているようでした。勝負は益田選手との一騎打ちの様相になってきました。自分と益田選手のバイク力はほぼ互角だと感じましたが、益田選手はランを得意としており、ランで勝つ自信はなかったので、何度か仕掛けてみましたが、離れることなくついてきていました。そのままランに勝負をかけるしかありませんでした。
伊藤選手から40秒遅れの2位でランスタートするものの、1km過ぎに早くも益田選手にかわされ、3位に落ちました。すぐに伊藤選手を抜かして再び2位に上がり、益田選手の背中を追いました。ランの感覚は悪くなく、脚は残せていました。腰が浮かないように、しっかりと地面に力を伝えることだけを意識して走りました。ランは走り込み不足は否めませんでしたが、オフシーズンからドリルや流しで、フォーム改善に取り組んできていましたので、その成果が出てきていると感じました。
トップの益田選手との差は400m程度でそれ以上広がらずに、後半は徐々に詰まってきているようでした。先導車との距離でそれが確認できました。折り返し地点で後続との差を確認すると、やはり河原勇人選手(トーシン・日東紅茶)が素晴らしいペースで追い上げてきていましたが、その差は3分近くあったので、このままいけば逃げ切れるはずだと思い、前を追うことに集中しました。
ラスト2〜3km地点で、益田選手とは200m差程度で、距離が縮まらなくなってきました。このまま2位で終わるのかと思い、後ろを振り返ると、猛烈なペースで追い込んでくる河原選手が視界に入りました。すでに射程距離圏内に入っていたようです。最後の力を振り絞って、ペースアップを図るものの、トライアスロン世界トップクラスの走力を誇る河原選手の前には、力不足でした。ラスト1kmを残して3位に転落。河原選手はフィニッシュ直前の商店街で、益田選手をも交わして先頭に立ちました。これには脱帽しました。結果、トップの河原選手と40秒差、益田選手と10秒差の3位でフィニッシュとなりました。
今回はペース配分がうまくいって、最後まで失速することなく走りきれたのは大きな収穫です。CEEPOのTTベノムのおかげで、バイクのタイムを短縮しつつ、ランに脚を残すことができました。バイクについては、まだまだタイムの短縮が十分に可能だと感ました。スイムで失われた水分とミネラルをバイクの序盤で、MUSASHIのリプレニッシュで速やかにリカバリーできたこと、また、高水素濃度水をランスタート時と折り返し時に飲んだことが、疲労の軽減につながったように思います。これは今までに無かった感覚でした。
自分の現在の走力では、いくらバイクでアドバンテージを築いたとしても、トップを獲ることはできません。河原選手のフルマラソンの持ちタイムは2時間25分で、自分と20分以上の開きがあります。今回20kmという距離で6分の差がありましたので、持ちタイムから言っても妥当なところだと思います。今後の課題としては、ランの単体走力の更なる向上(スピード×スタミナ)が必要不可欠であると感じます。フォームの改善を進めてきて、ある程度の手応えを感じることができているので、このオフシーズンは、ハーフ以上のマラソン大会に積極的に出場して走り込みを中心に強化を進めていきます。
常日頃からご支援・ご声援くださっている有限会社シオヤキャッスル様、その他協賛スポンサーの皆様、大会スタッフ、ボランティアの皆様、大会に参加した選手の皆さん、家で声援を送ってくれた家族に心から感謝します。ありがとうございました。