ITUワールドカップ幕張大会 ITUワールドカップ幕張大会 結果
開催地
:千葉県幕張
レポート : 前日までの静かな海が嘘のように、レース当日の海は大荒れだった。
レース会場に入ってみて、自分の目を疑った。
セッティングされていた鋼鉄製のポンツーン(スタート台)は真っ二つに割れ、白波に洗われていた。
一般のレースはデュアスロンに変更を余儀なくされ、その後に行われるワールドカップのレースも
スイム中止かと思われたが、大会関係者の機転と努力により、急遽スイム会場を川に変更し、
距離もそのままで行われることになった。
川といっても、海からの波の影響で、上流に向かって波が逆流していて、それが両岸の
コンクリート壁にぶち当たり、うねりにうねっている。
とはいってもいかなる悪条件であれ、レースの条件は皆同じであり、そのほうがむしろ自分にとって
は面白い。何が起きるかわからないから。わくわくしながらスタートを待った。
スタートはフローティングだが、その場に留まっていることは難しく、流れのなかでスタート。
それほど幅の無い人工の川を、大勢の選手がしぶきを上げながら群れて泳いでいく姿は、ちょっと前に
ニュースで取り上げれていたボラの大群かと、と観戦する者はみたかもしれない。
スタートはまずまずの位置をキープすることができたと思う。でも波の影響で、自分の正確な位置を把握
することはできない。とにくかく前へ前へと意識して泳ぐ。
河口から2本目の橋の橋げたを折り返し、そこからは、流れに逆らって泳がなくてはいけない。
後半はちょっとしんどくなる。スイムのフィニッシュ地点では波にさらわれないよう慎重に梯子を登る。
すぐ前にはシドニー金メダリストのサイモン・ウィットフィールド(CAN)がいる。
400mほど走って、バイクトランジションへ。サイモンと、アメリカの選手と同時にバイクスタート。
すぐ前には10人ほどの第1パック(日本人では平野、田山を含む)が見えるが、3人では追いきれなかった。
すぐに後ろの大集団(日本人7人含む)に吸収されてしまう。
ここで大きく二つに集団が分かれて、その集団の差は、バイク終了時にはその差は2分。
昨年と同じ展開となってしまった。しかし、ITUポイントを獲得するためにも、最後まであきらめるわけにはいかない。
トランジションへの位置取りはいまいちだったが、集団の前方でランスタート。
先週の村上大会では、疲労から股関節の柔軟性が失われており、全く脚が前に出ず苦い思いをしたが、
今回はしっかりほぐしておいたのでまずまず動いてくれた。
しかし、やはりランの力の差から、スタートしてすぐに他の選手に差をつけられてしまう。
それほど大きく差は広がらないが、詰まりもしない。それでも、応援の度にに力を受けながら、最後まで集中して
走ることができ、前から落ちてきた選手2、3人抜いて、32位でのフィニッシュとなりITUポイントを獲得。
今回も目標とする順位には届かなかった。
しかし、和歌山での落車から1ヶ月半、今の状態を考えれば、十分に力は出せたと思う。
ようやくスタートラインに立てた。そんな心境だ。
アジア選手権まであと3週間。世界選手権への権利を獲る為にも、やるべきことはやり残さずインドに旅立ちたい。
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