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天草大会レポート

 

ITUインターナショナルイベント  天草大会(2002.7.28)

 

 アジア選手権の切符をかけた平取大会を終え、少しほっとして疲れがでたのか、愛知に戻ってからの1週間は身体が全く思うように動かず、精神的な面でも、少し疲労の 色がみられた。そのため、まずは疲労をとることを優先し、休養をしっかりととった。それが良かったのか、出発の前前日の水曜日くらいになって、ずい分気持ちに余裕がでてきて、その結果、体の方も動くようになってきた。「休養がプラス志向を生む」とはまさにこのこと。今回の天草大会は、あくまでトレーニングの流れの中での遠征と捉え、結果は気にしないつもりではいたが、最低条件として、大会に出場するからには、ITUポイントの獲得(10位以内)をクリアしなければ行く意味がないと自分に言い聞かせ愛知を発った。

 天草大会には過去5度参加したこともある自分の好きな大会の1つだ。現地には金曜日入り、涼しくなる夕方まで待って軽くバイクコースを試走。翌日の午前中にはランコースとスイムコースをチェック。海は台風が近づいているわりには波は無いが、バイクコースは風がやや強かった。体の調子は、やはり切れがなく今ひとつ。

 開会式終了後、ランコースが今までと大きく変更になっていることもあり、もう一度試走を行う。ランコースは、長嶋茂男球場と殉教公園という2箇所のかなりきつい登りが設定されているタフなコースだ。身体が重かったので、少し長めに身体を動かし汗をかいて、最終的な調整とした。

 レース当日、台風も消え去り、朝から太陽がさんさんと輝いている。あきらかに暑くなることが予想されたため、スタート前から十分な水分補給を行い、脱水・熱中症への対策を行った。今回のメンバーから見て、レースの展開を予想すると、スイムはブレント・フォスター、マット・リードにオープンウォーターのスペシャリスト疋田選手が加わり逃げるであろう集団を、自分を含めた10人前後の集団が追いかける展開になるだろう。バイクコースはワンウェイの行って帰ってくるコースで、折り返してからは、向かい風を受けることになるので、前の逃げる集団が最後まで逃げ切る可能性は低いと考え、あくまで、ラン勝負になると予想していた。

 スタート時間が近づくにつれ、気温はぐんぐんと上昇し、30度近くまで上がっていた。日陰に身を隠し、スタートを待った。スイムは750mの2周回。今回はスタートの位置はそれほどシビアにならなくても、メンバーからみて、すぐに抜け出せるだろうと思っていた。しかし、いざスタートしてみると、自分よりスイムの力が劣る周りの選手に囲まれてしまい、完全に出遅れてしまった!

 「やられた〜!」と思い、周りを見渡し、比較的混乱の少ないアウト側に移動し、必死に前の選手を追う。1周目の折り返しのブイを回るころには、何とかこの大集団から体1つ抜け出すことに成功する。1周目浜に上がり、100mほどのビーチランで前に2〜3人の選手を確認するが、かなり差が開いている。しかし、後ろの選手との差も大きく開いている。どうやら前の集団と、後ろの集団の間に1人だけぽつんとはまってしまったようだ。これは非常にまずい展開だ。初めから、前を追う事をあきらめ、後ろに吸収されるのは楽だが、上位入賞は難しいだろう。それ以前に勝負を捨てたことになってしまう。ここは絶対前に追いつかなければ、と更にピッチを上げる。

 しかし、前との差はなかなか縮まらず、スイムフィニッシュまで残りの距離が徐々に短くなっていく。2周目のブイを折り返したところで、ようやく、前の選手に追いつけるかも?と思うくらいの距離になった。最後の直線で猛烈にスパート。あと5m、3m・・・というところで、陸に上陸。前の選手は山本(淳)選手だということを確認。その前に3人いるもよう。最後かなり頑張ったので、心拍数も上がりっぱなしだが、なんとか前の集団につかなくては・・・!

 しかし、スイムのつけがまわってきたのか、バイクスタートしてすぐ前に見えている山本選手・マットリード選手を捉えることができない。ここで踏ん張らなければ、と思うが身体が動かず無念の後退。最初の丘を越えた時点で、前に追いつくことは不可能と判断し、後ろからくるであろう集団を待つことに作戦を変更した。

 5km地点くらいで、後ろからきた10人前後の集団に吸収される。その中には、西内、斎藤、高濱、児玉、中込選手の姿があった。その他に海外選手3名。一定ペースで走ることが、一番タイムロスを少なくすることができるので、集団のペースが落ちないよう檄を飛ばし、集団をコントロールする。前の逃げている集団との差は少しづつではあるが、縮まってきているように思えた。

 折り返し地点を過ぎた所で、前との差を確認。追いつくことを確信する。西内さんが、「サーティーセコンズ!」と前との差を、集団の他の選手に伝えると、片言の日本語を話すマーク・フレッタ(米国)は日本語で「サンジュービョウ、サンジュービョウ!」と応えているのがおもしろかった。自分もペースをあげるよう他の選手に促す。ラスト5km地点で前から落ちてきた疋田選手を吸収し、他の3人には追いつかなかったものの、15秒差でバイクフィニッシュ。ランに勝負をつなぐ。

 ランに入る頃には、気温は35度近くまで上昇、我慢比べのサバイバルレースとなった。ランスタートしてしばらくは、自分のペースを守り、ピッチを整える。他の選手もそうとう暑さにまいっているようで、走りに切れが無い。これは粘ればいけるぞと思い、長嶋茂男球場の登りで、斎藤、西内、山本、フォスター選手らを一気に抜かす。そこから市街地を抜けると、殉教公園の超きつい登りにさしかかる。前には高濱、マルコム選手の姿が見える。あまりの暑さに意識が朦朧としてくるが、ここまできたらと、気持ちだけで前の選手を追う。

 ラスト2km地点でマルコム選手を捉え、4位に浮上。もうひと踏ん張りとフィニッシュ地点を目指す。結局、高濱選手の捉えることはできず、そのまま4位でフィニッシュすることになった。目標としていたITUポイントを獲得でき良かったという気持ちと、あと一人抜けば・・・・・という悔しさで複雑な心境だったが、あくまで、ピークはアジア選手権ということを考えると今回の遠征は、まずまずの合格点かな?

 レースが終わった日の夜、南国酒家に顔を出すと、中山俊之さんとスポーツDJの山本ゆうじさんらの姿が。楽しいひとときを過ごし、天草を後にしました。


   


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