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石垣島大会レポート

 

2002年ITUワールドカップ石垣島大会(2002.5.19)

 

 2002年度国内レースシーンが、いよいよこの石垣島から始まる。このオフはほぼ自分の考えた練習計画を消化することができ、良い手ごたえを感じてレースに臨むことができるため、レースが待ち遠しく、はやくレースで自分の力を試してみたいという気持ちがあった。 石垣島には木曜日に入った。食事は、もちろん郷土料理の店で、八重山そば、ゴーヤチャンプルーなどを食べる。沖縄料理はヘルシーでおいしくて最高。

 前日のスイムドロー(スタート位置決め)で、有力選手が右側に集まっていたため、自分も中央やや右より選んだ。前日のコース試泳時に十分にイメージトレーニングを行い、最初のスタートダッシュで頭ひとつ抜け出せば、スイムに関しては、いけそうな感触はあった。

 体調も万全の状態で、レース当日を迎える。朝起きて、軽いJogをする。レース会場となる登野城漁港の海は、漁港だけにそれほどまで透明度は高くないが、南国特有の熱帯魚が堤防沿いに漂っている。ちょっと覗いただけでも、チョウチョウウオの仲間や、ツバメウオ、ミノカサゴ等、普段水族館でしか見られないような魚がうようよ。ゆっくり眺めていたいけど、そういうわけにもいかない。

 女子のレースを見ながら、ローラー台と軽いJog+流しで、ウォーミングアップを行う。スタート時間は午後2:30と遅いため、結構余裕があるが、逆に緊張を長く持続させていなくてはいけないので、疲れる。女子のレースはいつもの展開(バーバラ・リンクイスト、ロレッタ・ハロップ、ニコル・ハケット、シーラ・タオルミナが逃げ る)だ。この4人は男子のレースでもトップ集団で上がってこれるんじゃないか?ってくらいスイムの実力が飛びぬけている。日本人では、中西が第2集団で頑張っているが、関根 さん、庭田さんは第3集団、残りの日本人は最後尾の集団を形成している。

 ホテルからレース会場までは5分くらいなので、アップをすませた後、スタート1時間前に会場に移動、トランジションのセッティングを行う。スタート会場には、午前中のファミリーの部に参加した選手、地元の人たち、トライアスロン関係者であふれ返っている。ワールドカップ参加選手も徐々に集まり始める。 さあ、レースだ!

 いよいよレースが始まる。ランキング順にTOP10までがコールされ、残りの選手も我先にとポンツトゥーン(スタート台)に登っていく。すでに戦いは始まっているのだ。スタート位置は前日に決められているが、いつスタートの合図があるかわからないので、すぐにスタートできる準備をしなくてはいけない。

 「Take your mark!」.で位置につき、次の瞬間、ホーンの合図で一斉に(ややフライング気味に)スタート!最初の第1ブイの所で必ず選手が集中して壮絶なバトルが起こるのは 予想されていたので、第1ブイまでが勝負だと思い、ダッシュをかける。思い通り、第1ブイを3番手(!)くらいで回ることができた。ブイをまわると後ろから集団がまくってきたが、ここは無理せず位置取りを考え、少しづつ下がり、集団の中盤に位置をとった。

 スイムは左周りに2周回。1周目を終え陸に上がって、後続を見ると、自分がかなり好位置につけていることがわかった。あとは、この位置をいかに楽にキープするかということを考え、前の選手にドラフティングしながら、必死についていく。ラストの直線では少しでもいいポジションを取れるよう、全体のペースがあがるので、最後の頑張りどころ。結果10番台でスイムフィニッシュ。バイクトランジションへとなだれ込む。

 トランジションでは、次のバイクへ意識を集中していたためか、ウェアを上げるのを忘れていた(ウェアはタイム短縮のため、水着の中にあらかじめしまっておく)。指摘を受け、慌ててウェアを上げる。バイクはすぐに集団が形成される。バイクコースはサザンゲートブリッジという 大きな橋(登り・下り)と市街地の中を走るテクニカルなコースを6周回する。

 集団の中、呼吸を落ち着け、周りを見渡すと日本人は自分の他に、田山、平野、山本(淳)、福井の5人であった。しかし、20人ほどの先頭集団はうまく機能せず、牽制し合いスピードは上がらない。周回を重ねるごとに、後ろの第2集団との差が詰まってきており、ついに3週目でつかまってしまう。さらにその後ろの第3集団にも追いつかれ、参加選手をほぼ全員含む40人ほどの大集団へと変化する。 その中には、同僚の斎藤さん、チームテイケイの小原、西内選手も含まれていた。こうなるとラン勝負の色合いが濃くなってくる。集団の中では、落車の危険性とコーナーでの立ち上がりでの中切れを避けるため、ポイントポイントで先頭に出て、登りを使って徐々に後ろにさがるようにした。 バイクパートでは、集団の力を利用しながら、いかにランに余裕をもった状態でつなげるかが、重要になってくるため、できるだけ脚に負担をかけないよう、骨盤の角度を意識して、ハムストリングをしっかりと伸展させ、乳酸をためない走りを心掛けた。

 バイクからランへのトランジションは、スイムからバイクへのトランジションよりはシビアではないものの、やはり世界のトップの連中は恐ろしく速いし、絶対にトップをとるという気迫が感じられる。自分の今後の課題でもある。

 ランに入って、出だしのスピードは以前に比べれば、切り替えが早くなってはきているものの、やはり世界のスピードは違う。最初の1kmでトップから大きく遅れてしまう。しかし、自分の持ち味の粘りで、最後まであきらめずいける所までいこうと気持ちを鼓舞し、胸を張った走りを意識して、登りはピッチと重心移動、下りは脚の巻き込みを意識して走った。 ほぼ集団の最後尾からのスタートであったが、ピッチの落ちてきた選手を一人、二人とパスしていく。ラスト1周を残して、前をいく日本人は西内選手、山本(淳) 選手のみとなった。前の二人との差は結構開いており、後ろの小原選手とも差が開いていたので、一瞬また日本人3位かという消極的な気持ちが芽生えてしまう。

 しかし沿道からのものすごい応援を受けると、まだまだ頑張れる、という気持ちが沸いてくる。「小原さんは絶対後半上がってくる、前を全力で最後まで追わなければ、小原さんにも抜かれてしまう」と思い、前を走る山本選手を追った。最終周になって、前の山本選手のピッチが落ちてきているのがわかった。しかし、なかなか差はつまらない。こっちも落ちてきているぞ、と身体に鞭を入れる。予想通り、後ろの小原選手との差も詰まってきた。ラストの直線の手前で山本選手に追いつき、一気にスパートをかけて追い抜く。しかし、そのペースは長くは続かなかった。再び後ろから追い上げてきた山本選手、さらには小原選手までもが、自分を追い抜いていく。ここで負けては今までの練習はなんだったんだ、と 最後の気力を振りしぼり、最後の折り返しをまわった。フィニッシュゲートまであと200mほど、もう一度スパートをかける。山本選手を追い抜き、無我夢中で腕を振り、脚を回す。全力を出し切ってフィニッシュ。

 順位は総合24位で日本人3位。総合順位からすると、まだまだ世界と互角に肩を並べて戦ったとは言いがたいし、実際、ランでの先頭集団には走り始めにつくことすらできていない。今回のような展開で、ラン勝負になった時に、世界と戦えるだけの走力は自分にはまだない。今回のレースの収穫は、スイムを好位置でフィニッシュできた点と、最後の最後まであきらめず、走りきることができた点は自分でもよくやったなぁと思う。今後の課題をひとつづクリアしていき、いつかはランでも先頭争いができるようになるぞ、近いうちに!


   


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